2005年09月22日

自走砲@

進軍した部隊が急力な敵陣地に遭遇したらどうするだろうか。手持ちの兵器ではどうしようもない場合、大砲をひっぱてきて攻撃するしかない。しかし、重い大砲をひっぱてくるのは面倒であるし、銃弾飛び交う前線では非常に困難なことである。それならば最初から大砲を自動車の上に載せてしまえばいい、さらにいえば塹壕を乗り越えられ、銃弾にも耐える戦車の車体部分に載せればいい。こういった発想から生まれたのが自走砲である。

この自走砲が実用化されたのは、ドイツ軍においてで、1940年のフランス戦に本格的に投入され始めた。V号戦車の車体を利用し、それに大口径の7.5cm砲を搭載したものであり、V号突撃砲と呼ばれた。砲の火力と戦車の防御力を兼ね備えた自走砲は固定陣地に対して絶大な威力を発揮した。

V号突撃砲G型
Stug3-2.jpg

自走砲は戦車に似ているが、上記のように誕生した経緯は異なるし、違った特徴を持っている。一つは、直接車体に砲を積むために、同じクラスの戦車比べて大きな砲を積めるということである。二つ目は、砲塔を持たない分、その重量を装甲に当てることができ防御力を高くすることができ、さらに車高を低くして被弾面積を小さくできることである。三つ目は生産が容易だということだ。構造が簡単な上、既存の戦車の車体を流用すればいいからである。

第二次世界大戦が勃発してから、自走砲は大雑把に言って三つの種類に分化していくことになる。
@従来どおりの陣地突破のための自走砲。破壊力のある大口径の火砲を積み防御力が高い。ドイツ軍では「突撃砲」と呼ばれる。代表的なものとしてはドイツ軍のV号突撃砲、W号突撃砲など。

Aそれまでの牽引式の砲に機動力をつけた自走砲。用途に応じて各種様々な砲を積むが、榴弾砲が多い。装甲は薄い。車体の上に砲を載せただけで、まったく防御が考慮されていないものもある。ドイツ軍では「自走砲」と呼ぶ。代表的なものとしてはドイツ軍のマーダー、アメリカ軍のプリースト、日本軍の一式砲戦車などがある。

一式砲戦車
一ョ砲
戦ヤ.jpg

B対戦車砲を載せ、戦車を撃破するための自走砲。貫通力のある長砲身の砲を積み、防御力も概して高い。ドイツ軍では「駆逐戦車」と呼ぶ。代表的なものとしてはドイツ軍のヘッツァー、ヤクトパンター、アメリカ軍のM10、ソ連軍のSU85などである。

SU85
su85.gif

ヘッツァー
ヘッツァー.jpg

自走砲は、その生産性の高さ汎用性の高さからいろいろな用途に使われるようになったのである。次回はそれぞれの自走砲がどのような活躍をしていったのか、そして現在に至るまでの自走砲の歩みを見てみたい。
posted by 戦車男 at 14:49| 東京 ☁| Comment(3) | TrackBack(0) | コラム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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